赤うみがめの赤ちゃん放流体験(2005/09/10)

今年の夏は何か面白いことができないかなー
そう思って、夏休み前にいろいろとパンフレットを見ていたら見つけた「夏の浜名湖体験バスツアー
ウミガメ赤ちゃん放流体験!? これだ!

さっそくどんなツアーか電話で探りをいれる。フムフム。
舘山寺温泉発→奥山高原で自然観察体験→浜松駅→ウミガメ放流体験→浜松駅→うなぎパイファクトリ→舘山寺温泉 の1日2,500円(子供2000円)のツアーでした。
但し途中浜松駅から合流する半日コースもあってこちらは大人1500円(子供1000円)。
参加するなら半日コースがいいね。

気になったのは、前日のウミガメの赤ちゃんの孵化数次第で、一人1匹にならないかも知れないこと。
期間は、8月15日から31日と9月の3,4,10,11の土日。
行くなら最初の15日か、9月に入った土曜日が狙い目だろうと勝手に判断。
(ひょっとしたら前々日に孵化した赤ちゃんをとっておいてくれるかなと....)

9月に入ってからもう一度電話すると10日の土曜日は子供の参加数が少ないらしい。
ということで9月10日土曜日に午後半日コースで決定、
土曜日はママが都合が悪く、私と次男の二人で予約を入れました。

路線バスに乗って浜松駅まで行きますが、前日に私の右足首が腫れてしまって
痛くて歩くのもままならない状態。
バス停に着く寸前に乗りたかったバスが行ってしまいました。
次のバスは15分後。ヤバイ!集合時間に間に合わないかも。

路線バスで浜松駅まで

バスは思っていたよりは混雑ぎみで、道路も渋滞気味。
浜松駅に到着が1時47分、この時点で2分遅刻。

「走るよー」

痛い足をおもいっきり引きずって、バンビツアー乗り場まで走る、走る。
バスターミナルからバンビツアー乗り場までは走れば2分程度。
「きっと待っててくれるよー 走れー」

エスカレータを上がり、メイワンの横を通ってもう少しというところで、遠鉄観光バスが一台、
ブッブーと出発してしまいました。車内を見ると家族連ればかり。

あのバスだー よし追いかけよう!!!!!
「お父さん、もうムリだよ、あきらめようよー」 次男が後ろで叫ぶ。
「この先、信号待ちで止まってくれたら追いつくよ。お父さんについてきて〜」

痛い足を引きずりながら走る、走る。
両手を大きく振って左右の車をさえぎりながら堂々と道路を横断。

やった、バスが信号待ちしている! なんとか追いつき、ドアをノック。
運転手さんがドアを開けてくれたので、
「す、すみません、ハー、ハー、ウミガメ放流のバスですよね。乗せてもらえますか?ハーハー」
ガイドさんは最初迷惑そうに運転手の顔を見ましたが、運転手さんが二つ返事で、
どちらさん、あー○○さんね。と名簿を確認して、さぁどうぞと気持ちよく乗せてくれました。

ありがとう!運転手さん!

「よかったねー」 席は決まっていたらしく座る場所を指定されました。
中田島砂丘まで車で10分ちょっと。
車内では、ウミガメの事前勉強ということで、ビデオが流されました。

観光バスではビデオで学習

やがてバスは中田島砂丘入り口に到着。そこにはおじさんが旗を持って待機していました。
最初はサンクチュアリ・ネイチャーセンターで、ウミガメの生態や
保護活動団体の活動内容などを学習します。

サンクチュアリのお姉さんが、スライド写真を使っていろいろ教えてくれました。
この話はとてもタメになるいい話でした。

なんでウミガメが産んだ卵をわざわざ掘り出して保護するのか疑問でした。
砂浜を立ち入り禁止にすればいいじゃないかと。自然じゃないかと。

サンクチュアリのスタッフの説明によると、
ウミガメの卵をわざわざ掘り出して保護する理由がいくつかありました。

1.卵の盗掘から守るため (非常に多いそうです)
2.自動車の乗り入れ、ゴミの放置による被害 (赤ちゃんガメは海に戻れない・ゴミを食べてしまう))
3.夜のネオンの明るさでウミガメが海に帰れない (今では夜が明るすぎて海の方角がわからない)
4・ ウミガメが卵を産む遠州灘海岸は全長100キロ以上もある。(全域管理できない)

保護しなければならないのは人間が原因でした。
死んだウミガメの胃の中のスライドを見ましたが、
8割がスーパーのビニール袋でした。大好物のクラゲと間違えてたべてしまうそうです。

カメの赤ちゃんは海の方角がわかりますが、紫外線の強さを感じているそうです。
しかし今は夜はネオンで夜空が明るく、実際に100匹の赤ちゃんを夜砂浜に放したら
たった1匹しか海に入れなかったようです。

次男が横で、「かわいそうだねー」 とつぶやきました。
その言葉を聞いて、参加してよかったなと思いました。

中田島砂丘に到着 この旗についておいで〜
最初にお勉強するところ 3階に上がります
スライド上映中は撮影禁止でした 遠州灘は100キロ以上。長いです

さぁ、海岸へいきましょう。 お姉さんが先導してくれます。
砂丘に入るとすぐに、保護柵が目に入ってきました。

えっ?こんなところで保護しているの? わざわざ砂丘入口という場所をえらんだのでしょうか?

胸に参加ワッペンをつけました 今度はあのお姉さん
保護柵がありました 日付、採取場所別に分けれれています
亀のお母さんの模型もありました 1ヶ月半ぐらいで孵化するそうです

砂丘を歩きます。昨日の朝までは激痛で歩けなかったことを思えば無謀ですが、
今年の夏の体験物メインイベントですからやめるわけにはいきません。
足を痛めないように慎重に、慎重に歩きました。

やがて放流場所に到着。スタッフのお兄さんが、砂に線をひいて、ゴミや枯れ木などをどかしました。
全員が到着するまでちょっと休憩です。

うわぁ、砂山で向こうの海が見えないよ。 振り向けばこんなに歩いたよ
やっと海が見えてきました 緑の旗が2本立っています
お兄さんが砂浜に線をひきました 皆が集るのを待ちます

全員そろったようなので、お姉さんがウミガメを配りはじめました。
最初はチビッコから。次が小学生。どれどれ、参加人数分のカメはいないみたいだなぁ〜

子供たちに配り終えると次は、大人だけのグループ客に1匹づつ配布。残り7〜8匹。
最後に、お父さん・お母さんたちに配ります。早いもの順。
私はずっと後ろに陣取っていて、さっと手を出し1匹ゲットしました。

しばらくは記念撮影タイムです。持ち方、触り方は先ほどの学習センターで教わっているので
だれも落としたりせず上手に持てていました。

最初はチビッコたちから 次に小学生
大人だけのグループ客に 残りが少なくなっていく〜
なんとか1匹づつゲット 産まれたばかりです
はい、記念撮影 バタバタバタ、とても元気
甲羅を上下に持つか 甲羅の脇を持ちます
この持ち方だと 前足ではたかれて落としそうになります

さぁ、いよいよ放流タイムです。
「皆さん、線に沿って並んでくださーい。 線からは絶対に前に出ないで下さーい」

いよいよお別れ。赤ちゃんガメは気配を察したのか、前より増して元気よくバタバタバタ...

線に沿って並んで〜 しゃがみます
準備はいいかな〜? いよいよだね
一生懸命バタバタしてます 最後のお別れをして

「じゃぁ、そっと砂浜において放してくださーい」
お姉さんの声に、皆いっせいにカメを放流します。

トコトコトコ

早い、早い。カメってこんなに早かったっけ? 一目散に海に向かっていきます。
あらかじめお兄さんが砂面を慣らしてあるので障害物はほとんどありません。

一生懸命走る赤ちゃんガメ! がんばれー! おもわず声援を送ります。

ザ、ザ、ザーン!
波がやってきて最初の1匹が海に入っていきました。そして次々に入っていきます。
なかには何度も何度も波に押し戻されてしまうカメも。
でも、だんだん海に近づいていって最後の1匹も無事海に入っていきました。

そっと砂浜に下ろします まっすぐ海に向かいます
お父さんの亀と競争だよーと次男 すごいスピードで進みます
最初の一匹が海に入りました! 次々と海に入ります
波で何度か戻されてしまうけど 確実に進んでいきます
最後の一匹が 海に入っていきました

ざわついていた子供たちもこの瞬間だけはしーんとなりました。
きっと赤ちゃんの無事を願っていたのでしょう。
次にこの浜に戻ってくるのは20年後だそうです。それまで元気でねー

感動のお別れ 全員で赤ちゃんガメを見守りました

さぁ、さきほどの学習センターに戻ります。帰りのバスがくるまでは、売店でお買い物タイム。
この売店での収益は、サンクチュアリの活動資金に当てられるようで、
お土産を買うことが保護活動の支援になっているから是非買って欲しいと何度も頼まれました。

ガイドのお姉さん さぁ戻りましょう
一階は売店とラウンジです 瀬戸物の赤ちゃんガメ1155円

バスの迎えがきました。一度浜松駅に戻ります。
午後から参加組はここで降りないとこのあとは舘山寺温泉まで行ってしまいます。
約30人中20人が浜松駅で降りました。

この後は、大久保町の春華堂「うなぎパイファクトリー」へ。
ここは2度行ったことがあります。ここは無料で、うなぎパイのお土産付です。

うなぎパイファクトリーが見えてきました 館内はここだけ写真撮影オッケーです

見学は30分間。遠鉄バスは駐車場で待機しています。
私たちは、ここで解散することにして、ママに迎えの電話を頼みました。

遠鉄バスはこの後舘山寺温泉へ 参加ワッペン

家に帰ると17時。
昨晩産まれたばかりの赤ウミガメの赤ちゃんを放流するという貴重な体験が、
この料金で、3時間ほどで体験できてとてもよかったです。

このツアーは今年で2年目。舘山寺温泉のホテルに宿泊のお客様も8名ほど参加していました。
家族で一日コースに参加したんでしょう。
チビッコがいる家族には是非オススメしたいツアーでした。





<<HOME